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金利とは?種類や決まり方・影響まで分かりやすく解説

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この記事のポイント

  1. 金利とは「お金の使用料」であり、預ければ受け取る利益、借りれば支払うコストとして機能し、名目金利・実質金利、単利・複利などのしくみを理解することが資産形成に不可欠である。
  2. 主な金利の種類には固定金利・変動金利、短期金利・長期金利、基準金利・適用金利があり、それぞれの特徴を知ることで住宅ローンや借り入れの適切な選択につながる。
  3. 金利は政策や経済環境(物価・為替・景気)によって決まり、個人の家計や企業の投資戦略に直結するため、日銀や金融機関の最新情報を確認することが重要である。

金利の基本知識

金利とは、お金を借りたり預けたりするときに発生する「お金の使用料」を指します。

貸し手にとっては収益であり、借り手にとっては負担となる性質を持っています。


金利は資金の需給関係や経済情勢に大きく左右されるため、常に一定ではなく、変動を繰り返しながら経済活動に影響を及ぼしています。

金利とは何か

金利とは、一定期間お金を借りる際に支払う対価の率、あるいは預けることで受け取る対価の率を意味します。


銀行預金であれば預金者が利息を受け取り、住宅ローンなどの借り入れでは借り手が金融機関に利子を支払います。


お金の価値は時間の経過とともに変動するため、金利はその調整機能を担っています。


経済全体においては、金利が資金の流れを調整する重要なしくみとして働き、消費や投資の動きを左右する役割を持っています。

金利と利息・利子・利率の違い

金利に関連する用語には「利息」「利子」「利率」がありますが、それぞれ意味が異なります。


利息や利子は実際にやり取りされる金額を指すのに対し、金利や利率はその割合を示します。

例えば年利1%の定期預金に100万円を預けると、1年後に受け取れる利息は1万円となります。


一般的には、利息は預ける側が受け取るもの、利子は借りる側が支払うものとされます。

ただし日常的な会話では混同されやすいため、文脈に応じた理解が必要です。

金利の構造

金利にはさまざまな形態があり、それぞれの違いを理解することは資産運用や借り入れの判断に役立ちます。


ここでは名目金利と実質金利、そして単利と複利という基本的な区分について整理します。

名目金利と実質金利

名目金利とは、金融機関が公表しているそのままの金利のことを指します。


一方で実質金利は、名目金利から物価上昇率、つまりインフレ率を差し引いた数値です。

例えば名目金利が2%でも、物価が毎年1%上昇している状況では実質金利は1%となります。


実質金利を把握することで、資産の実際の増加分を正確に評価することが可能になります。

単利と複利

金利の計算方法には単利と複利があります。単利は元本にのみ利息が付与される方式であるのに対し、複利は元本に加えてこれまでに得られた利息にもさらに利息がつくしくみです。


特に長期的な運用では複利の効果が大きく働き、利息が新たな利息を生むことで資産が時間の経過とともに増加していきます。

そのため、資産形成を考える際には複利の性質を理解することが重要です。

金利の種類と特徴

金利は利用する金融商品や借り入れのしくみによって形態が異なります。

ここでは代表的な分類について整理していきます。

固定金利と変動金利

固定金利は、借り入れ時に設定された金利が返済終了まで変わらない方式を指します。

返済額が一定であるため、計画を立てやすく、将来の支払に対して見通しを持ちやすい点が特徴です。


一方で、変動金利は一定の期間ごとに市場金利の動きにあわせて金利が変わるしくみとなっています。

金利が下がれば返済の負担が軽くなる可能性がありますが、反対に上昇すると支払額が増える場合もあります。

短期金利と長期金利

短期金利はおおむね1年以内の取引きに適用される金利であり、長期金利は1年以上の取引きに適用される金利を指します。


短期金利は中央銀行の金融政策に強く影響を受けやすく、政策金利の変更が直ちに反映される傾向があります。


これに対して長期金利は、景気の先行きや将来の物価動向といった中長期的な要因によって動く性質があります。


銀行の貸出基準として用いられるプライムレートや、国債の利回りはそれぞれ短期金利や長期金利の代表的な指標として位置付けられます。

基準金利と適用金利

金融機関が店頭で公表する金利は「基準金利」と呼ばれます。

これはあくまで出発点となる水準であり、実際に利用者に適用されるのは「適用金利」です。


一般的に適用金利は、基準金利をもとに利用者ごとの条件によって割引が適用されるため、同じローンであっても利用者によって金利条件が異なる場合があります。


この違いを理解しておくことで、金利がどのように決まるのかをより明確に把握できます。

金利の決まり方と影響要因

金利は銀行だけで決められるものではなく、政策や経済環境によって変動します。

金融システム全体のしくみのなかで形成されるため、その動きを理解するには政策当局の対応や市場の状況を踏まえることが欠かせません。

政策金利と市場金利

中央銀行が金融政策の一環として操作する金利は「政策金利」と呼ばれます。

日本では日本銀行が「無担保コール翌日物金利」を誘導目標として定めており、これが短期的な金利水準に強い影響を与えています。


一方で「市場金利」は、金融機関同士や投資家が資金を取り引きする過程で需給によって決まる金利です。

市場金利は政策金利を基準としながらも、市場参加者の期待や経済環境を反映して日々変動していきます。

物価・為替・景気との関係

金利は経済の主要な指標と密接に結びついています。

物価が上昇すると、中央銀行は過度なインフレを抑制するために金利を引きあげる傾向があります。


為替相場についても各国の金利差が大きな要因となり、金利が高い通貨には資金が流入しやすくなります。


さらに景気の動向も金利に影響を与え、経済が拡大局面にあると需要の高まりから金利が上昇しやすくなり、逆に景気が低迷すると金融緩和によって金利が低下する傾向が見られます。

このように金利は経済活動全般の変化を映し出す重要な指標となっています。

金利変動が個人や企業活動に与える影響

金利は個人の生活だけでなく、企業の経営活動にも大きな影響を及ぼします。

その変化は資金調達の条件や投資判断に直結し、経済全体の動向を左右する要因となっています。

個人

住宅ローンや自動車ローンといった借り入れは、金利の動きによって返済額が変化します。

低金利の時期には借り入れの負担が軽減され、資金を活用しやすい環境が整いますが、金利が上昇すると返済額が増加し、家計への影響が大きくなります。


このように金利は、個人の消費行動や資金計画に密接に結びついています。

企業

企業は設備投資や運転資金を銀行借入によって調達することが多く、金利上昇は資金調達コストの増加を意味します。

その結果、投資計画の見直しが必要となり、事業拡大や経営戦略にも調整が求められます。


反対に、低金利環境では資金を確保しやすくなるため、新規事業の展開や研究開発への投資が進みやすくなります。

企業の成長や競争力は、金利の動向によって大きく左右されるといえます。

金利情報の調べ方

金利は経済状況や政策によって常に変動しているため、正確な判断を行うには最新の情報を把握することが欠かせません。


特に資産運用や借り入れを検討する際には、信頼できる情報源からデータを収集することが重要になります。


公的な情報源としては、日本銀行や金融庁の公式サイトが挙げられます。


これらでは政策金利や関連する統計データが公開されており、経済全体の動向を確認する手がかりとなります。


また、民間の金融機関のホームページでも、住宅ローンや定期預金などの最新の金利情報を確認することが可能です。


複数の情報を比較することで、金利の水準や変動の傾向を客観的に把握できるようになります。


このように、公的機関と民間金融機関の両方の情報を活用し、最新の動きを確認していく姿勢が、金利を理解するうえでの基本的なアプローチといえます。

まとめ

金利はお金を借りたり預けたりする際の基本的なしくみであり、経済や生活、企業活動に幅広く影響を及ぼします。


名目金利と実質金利、単利と複利、固定金利と変動金利といった基本的な区分を理解することで、金利の動きをより正しく捉えることができます。


また、金利は政策や市場環境に左右されるため、最新の情報を確認しながら状況に応じた判断を行うことが重要です。

お客さまの声をお聞かせください。

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